くんにちは(鳴神裁)。本日は日記でも批評でもなく少し実存的な話をしたいと思います。というのも、一人暮らしを始めてからというものの家の経済事情を見る目が文字通り180度変わってしまった(そこには悲しみももちろん喜びもありません)ことに関して以前はこれはやや特殊なケースなのではないか、と思っていたのですが、多分特殊ではないのではないか、と認識を改めつついます。僕の専門はルイ・アルチュセールですが、専門を持ち出さずとも「ブルジョワ」という言葉の意味は人口に膾炙しているし、ツイッターでは「文化資本が~」などという言葉が跳梁跋扈していますが、僕から言わせればそういったヴォキャブラリは総じてファック、金持ちと貧乏人と言えばいいだけのことなのです。インテリではなくディレッタントを僭称している僕ですが、なぜこんなことになってしまったのか、そして問題は貧困ではなく僕の放蕩息子ぶりにかかっているという事実が今も親を苦しめている、というわけです。無論反省などしません。今これを実家で書いていてのちほどメイド喫茶とコンカフェとパチンコに金を使い込んだ角で父親からブチ切れられるのが目に見えていますが、ぬるい反省だったらしない方がマシなのです。来年から不定職者の半ニート野郎に成り果てる僕ですが、カスもドがつくカス、ドカスになる覚悟がなければこんな進路を選んでいません。女と親にタカって生きていく所存です。
さて、なぜ僕が放蕩息子(つまり、親の金を使い込んでコンカフェやメイド喫茶やガールズバーに入り浸り、博打をするようなクズ野郎)と成り果ててしまったのかについてですが、これは親が僕の教育方針を間違えたとしか言いようがありません。言いようがないのです!文化資本というヴォキャブラリをファックと言いましたが、あえてそのファック・ヴォキャブラリを用いるならば僕の家は文化資本が高い家でした。高学歴法学部卒テレビマンの父、有名美大デザイン科卒元イラストレーターの母。父の趣味で物心ついたときには家の一角がクラシック音楽とロックのCDで潰れており、母の美大時代の名残かアサヒグラフの画集が棚にギッシリ。特に父のコレクションは増え続けているので、恐らく家の所蔵ディスク枚数は2000をくだらないでしょう。ポケモンもモンハンも遊戯王もできなかったいじめられっ子の僕は家に帰ってクラシック音楽のCD――それはときにカルロス・クライバーのワーグナーであったりジョージ・セルのシューマンであったりしました――を聴きながらレンブラントの画集をめくるのが放課後の至福の時間でした。今考えるとかなり嫌味なガキですが、そういうものだったのです。父は幼いながらクラシック音楽に親しんでいる僕を嬉しく思い色んな演奏会に連れて行ってくれました。シュターツカペレ・ドレスデンの「英雄の生涯」。フェドセーエフの「白鳥の湖」。ウィーンフィルのシューマンの2番。大野和士の「トリスタンとイゾルデ」……。他にも数えきれないほどコンサートやオペラに行きました。さて、ここで認知の歪みが発生します。
「こんなに高い値段のコンサートにいっぱい連れて行ってもらっているのだから、うちはこれが当たり前なぐらいお金持ちなんだな」
当時は父の会社の社宅で家賃が1万円代の中生活しており、無理して僕を演奏会に連れて行ってくれていたことになんて小学生が気づく訳もありません。あまつさえ全席15000円のKing Crimsonの来日公演までプレゼントしてもらうなど。シンプルに言えば甘やかされて育ったわけですね。ちなみに僕には弟がいますが、「小さい時分から芸術に親しんでいる兄」と「ゲームばかりやっている弟」の対比で家庭内で冷遇され、中学校でパワハラ顧問に部活で絞られた結果何がとは言わんが死にかけました。今では就活をバリバリやっていて卒業後職無しの僕とは家庭内の立場が完全に逆転しています。ウケますね。
僕の「我が家はアッパーミドル」の認知の歪みは受験勉強にも及びます。僕は中学受験を志してドロップアウトしている人間なのですが、当時国語と社会の偏差値が上振れしまくっていたのに対し算数と理科が底を打っており(発達障害特有のアレ)、見かねた母が算数だけ個人指導の私塾に通わせるような具合でした。母は典型的な教育ママで(学歴厨でもある)、社会の一問一答で僕が答えられなかったり間違えたりするとノートを引き裂いて絶叫、リモコンで僕をボコボコにブン殴るというヒステリーというか癇癪を起こす人でした。そのおかげで僕の社会の偏差値が70を下回る事はなかったわけですが今でもあれはどうなのかと思います。そんな母のパワープレイに耐えかねた僕は中学受験を諦め高校受験に専念することにしたのですが、こちらは塾に大量の資金を投入しありとあらゆる講座を受けまくった結果第一志望合格。どことは言いませんが私大附属です。高校時代はお小遣いで映画を観ることにハマり、昼飯を抜いて名画座に行ったりレンタルDVDを10本借りて一気見とかしてました。微笑ましいですね。僕が倹約家だった最後の時代です。
僕が本格的に放蕩息子ぶりを発揮してきたのは大学2年生のときに躁鬱病が大変なことになったときでした。普通お金は何かの「ために」使うものです。服を買うために。美味しいものを食べるために。僕の場合はそうではありませんでした。使いたいから使うのです。バイトができなくなり当時の彼女と同棲していたときは親から小遣いを定期的にもらっていましたが、2万円あったら1万はパチンコで5000円ゴールデン街で飲んで帰りにピンサロで抜いてスッテンテンが黄金パターンでした。当然彼女は疲弊していましたが僕は目がイッていたので大した問題ではありませんでした。このときキモなのが別にパチンコで勝つことが目的な訳でも、酒を飲みたい訳でも、彼女と違う女にチンポを舐められたい訳でもないということです。「2万使う」ということが気持ちよくて仕方がない、そういう心性でやっているということを分かっていただきたい。酷かったのは金がなくなり先輩に5万貸してくれと泣きつき、振り込まれた5万を4パチに全ベット、見事にスッて学生ローンに駆け込んだときでしょうか。なんかその前に気が狂ってプロミスの審査に落とされていたので学生ローンですら通らず親に勘当寸前までブチ切れられて終わりでしたが本当によかったと思います。
大学3年は女にもフラれ、特に趣味もなかったので一生懸命哲学の勉強をしていましたがただただ虚しくバイト代だけが溜まっていったので全てパチンコと風俗につぎ込んでいました。シンフォギアで万発出したときは脳汁の出過ぎで死ぬかと思ったね。今は亡きにゃんパラのりかちゃんは元気にしてるかな。歌舞伎町の美容院で髪を切っているのでさっぱりした後6000円を握りしめてにゃんパラに行くのが楽しみでした。友達との飲み会はケチるせせこましい漢、それが漏れ……。
翻って2020年です。コロナウイルスに世界が侵され僕と当時の彼女(Mk-Ⅱ)が竹芝埠頭でベロチューをかましていたとき、お互いに自分の家に上げられずよく使っていたのはアパホテルでした。新宿のデカいアパホテルに一回泊まったんだけど大浴場がハッテン場だったってマジ?まあそれは置いといて、僕は友達にしろ彼女にしろ人に使うお金を「浪費」とはあまり呼びたくない傾向にあります。何故ならそれは「ムダ金」ではないからです。あの時北斗無双に吸い込まれた1万。アキバのイマイチなコンカフェで払わされた4000円。そういう明らかに無駄になったお金を、「お金を払う」という行為の気持ちよさによってのみ肯定すること。それが浪費です。なので、彼女と付き合っていた時期は常に金がありませんでしたが、これをムダ金だと思ったことは1円たりともありません。ちなみにどうでもいい女とセックスするときに払うラブホ代はムダ金です。やめようね!
いろいろあって彼女と別れ、1か月半後壮絶な躁鬱で精神病院にブチ込まれました。病気と投薬は人格を変えます。元あった浪費癖は悪化し、やがてコンカフェにハマりました。地獄です。最初はソフトドリンク一杯、次はビールとカクテル、飲み放題にチェキもつけちゃったりして、特別な日には推しにオリジナルカクテル……総額でいくら使ったのか考えたくもありません。ともかく、僕は推しの出勤している日は可能な限り足を運びました。昼出勤だったのがせめてもの救いです。ちなみに推しにガチ恋しかけていたのですが、ガチ恋の場合も浪費に含まれません。推しにドリンク。浪費じゃない。推しとチェキ。浪費じゃない。推しと飲み放題120分6000円。浪費じゃない。次は借金してシャンパンを開けたいと思っています。浪費じゃないからね。推し以外にもかわいい娘はいっぱいいて、暇さえあれば僕は渋谷某所のコンカフェにしけこみました。思えばいろんなタイミングでコンカフェに行ったものです。初めて出した新人賞に一次で落ちたとき。卒論を提出した日。マッチングアプリの女とセックスした次の日。こんなに思い出がいっぱいある時点で、僕は既に浪費をしていないのかもしれません。アキバのメイド喫茶とコンカフェを6軒ハシゴしたときはさすがに金の使い過ぎで脳内麻薬がドバドバ出ました。
僕の育ちは川沿いで、川の向こうにゴッサムシティ川崎が見えます。丘の上に中学校があり、僕は毎日急勾配の坂をえっちらおっちら上って学校に通っていました。治安は比較的良い学校でしたが、掃除の時間に数学の先生がロッカーに悪ガキを叩きつけたり、屋上前の踊り場でフェラチオが嗜まれていたりとそれなりにクールな学校でした。そこで見かける生徒たちは、中学近くのタバコ屋の息子だったり、医者の息子だったり、公立なら当たり前ですが多種多様な人種がいました。部活を休んでクラシックのコンサートに行ったり、家にクラスメイト10人近くを呼んでテスト勉強会と称したゲーム大会を開催していた僕は重大な誤謬を犯していました。「僕の家は、太いんだ」と。高校は私立附属、即ち大学にエスカレーターで進学できるわけで、高校時点で1年の学費が120万。加えて部活に入るに当たって20万のホルンも買い与えてもらっていてそれが当たり前だったのですから、よもや物心ついたときの社宅の家賃が1万ちょいなどとは夢にも思っていませんでした。弟も私立だったのですが、都立に落ちた時点で親は半泣きだったそうです。なお祖父母の生前贈与により我が家は九死に一生を得ました。大学では文学部哲学科で留年、学費70万をこのコロナ状況下でガッツリ支払っています。一人暮らしを始めてから、我が家の家計はカツカツなのだと思い知ることになります。それでもコンカフェに行くのがやめられません。パチンコを打つのもやめられません。お金を女の子に手渡したり、お金をサンドに入れたりする時のゾクゾクする感じがどうしても、どうしてもやめられないのです。
「彼女を作れ」という声が聞こえてきそうですが、僕の最も敬愛する作家、町田康が『人生パンク道場』で言っていたように女ほど金のかかるものはないのです。今の彼女と話しているよりコンカフェで喋っていた方が楽しいのだから始末に負えません。元カノや元元カノのことは本当に好きだったのでムダ金とは思いませんでしたが、マッチングアプリにマジになれる女がポロポロ落ちているわけがありません。というか放蕩息子において重要なのは「ムダ金を思いっきりブン回すこと」です。ムダ金の単位は問いません。1000円でも1万円でも1億円でもいいのです。ただし多いに越したことはありません。財布が、クレカが焼き切れる寸前まで金を払って女と酒を飲み博打を打って風俗に行くのです。CDや本などといったチマチマした出費ではなく一度にドカンと使うのを週1でやりましょう。高い服を買うのでもよいでしょう。僕などはヴィヴィアン・ウエストウッドの古着をツケ払いで買うのが精一杯でしたが、お年玉をもらうやいなやセールでジョンローレンスサリバンのテーラードを親に秘密でゲットするつもりです。ちなみに僕の友人のドラ息子はドリスヴァンノッテンのコートやマルジェラのセーターを親の金で買っていました。実家が太いとはこういうことです。お金の価値は平等かのように思われていますが、ごん太(ごんぶと)の実家と僕のようなマイルド貧困層の実家が使う1万円の価値は平等ではありません。どちらの方が価値が高いですか?はい、後者ですね。現状もバイト代が2万5千円もらえてるからと実家からの小遣いが3万円です。23歳が実家から小遣いをもらうなという話ではありますが、月に10万バイトの如何に関わらずもらえるブルジョワ大学生と昼にカレー夜に鍋、月末は食事を野菜ジュースで凌いでコンカフェで5000円使う僕とでは5000円の重みが全く違うという話です。
さて、ここまで僕がいかにマイルド貧困層の中で贅を貪ってきたかをつらつらと書いてきましたが、ここからは実践編です。「お金を払って女の子と話したりエッチなことをするなんて、プライドのないゲス野郎……」「親の金でパチンコを打つなんて良心の呵責でできないよ……」、大丈夫です。高い文化資本もプライドも良心も必要ありません。その財布の中にある1000円はなんのためにありますか?明日の夕飯の食費?0点ですね。晩酌代?うーん、50点。タバコ2箱?いいですね、80点。コンカフェの推しとチェキ?パーフェクト!1パチの軍資金、素晴らしい!そういう訳で、自分の心の豊かさをモリモリ貧しくしていくことが畢竟重要になってきます。2000円あればタバコを一箱買ってメイド喫茶でメイドさんと話しながらお茶するか、コンカフェで女の子と話しながら一杯酒が飲めます。費用対効果とはこういうことです。ちなみに僕は費用対効果がなんなのか全く知りません。という訳で、順を追ってお金の捻出方法(親に土下座するのを含む)からコンカフェ、メイド喫茶、パチンコ(僕はスロットは打ちません)の楽しみ方、ムダ金をはたいてしまったときのメンタルケアの方法まで詳しく解説していきます。なお、以下に述べるフローチャートはあくまでも「マイルド貧困層」、具体的には衣食住にはとりあえず困らず僕の例で言うと1万円の専門書一冊買うのにプチ家族会議が開かれるレベルの家庭に生まれていることが条件です。野草を食むとか新聞紙あったかいとか、逆にリビングでキャッチボールできるとか天井にデカい扇風機が回ってるとかみたいな極端な方々は参考にしないでください。それでは、どうぞ。
①お金の捻出編
なんといっても我々はお金がありません。僕だって安い青のラッキーストライクをフィルターが燃えるまで吸っています。バイトはコロナの影響で人件費削減のあおりをモロに食らい、月に3万円もらえればいい方。六畳一間のボロアパートの家賃を親に前借りして生活しています。ちなみに僕のルールだとひと月に生活費、タバコ代、交際費合計5万の縛りプレイです。
まず、水を買うのをやめましょう。スーパーで買っても大体70~99円です。ぶっちゃけ水の質なんてQOLに大して影響しません。水道水をガブ飲み、水道水で米を炊き、水道水でラーメンを作りましょう。「水筒を買う金が勿体ない」という方は2Lの水を1本買ってそれを使います。飲み口は汚くなるので定期的に洗うこと。ちなみに米だけは無洗米を買った方がいいです。研いでる時間がもったいないのでね。時は金なり。2kgで1000円ぐらいですが、チェキ1枚と米2kgが大体同じってウケますね(脳がバグっている人)。
次に飯ですが、食うものを固定してしまいましょう。僕の場合2食で昼はレトルトカレー、夜は鍋です。最初は自炊を頑張っていましたが作ってるうちに食いたくなってきちゃうのとレシピによってかかる金が変わってしまうのでこうなりました。夏は出来合いの冷やし中華や蕎麦がよいでしょう。そうめんは栄養がないのでそうめんばかり食べてると栄養失調で遊ぶどころではなくなります。起き抜けに野菜ジュースをコップ1~2杯飲むとビタミンなども摂れてなおよしです。頂き物で果物なんかがもらえるチャンスがあればもらっておきましょう。マイルド貧困層で放蕩息子をやるに当たって食費は削りどころですが、栄養価や肉と野菜のバランスを考慮してケチりましょう。
酒とタバコをどちらか、あるいはどちらも嗜んでいる場合、家でやるのは必ず片方にしてください。僕の場合書き物をするときや暇な時間さえあればプカプカやっているヘビースモーカーですが、酒は外でしか飲みません。コンカフェでオリカク飲むのと家で寂しくアサヒスーパードライを飲むの、どちらがいいですか?そういうことですね。ちなみに喫煙者勢へのライフハックに半分まで吸って平らに火種をつぶし、また気が向いたらそのシケモクを吸うというものがあります。これは喫煙者なら必須のスキルです。覚えておきましょう。吸い殻の量が半分になります。
一人暮らしのお金の捻出方法は普通の吝嗇家と大して変わらないので、実家住みの場合のスキルです。基本的に親に土下座します。これは一人暮らしで親に金の無心をするときも同じです。我々は札束でビンタされるような家庭に育っていません。だからといって晩飯のときの食卓が段ボールなわけでもありません。つまり土下座すればかろうじて出るのです。と言っても、実際に土下座しても身も蓋もないので、嘘をつきましょう。僕がやっていたテクニックは、常に財布に2~3000円をプールしておき、「友達と遊びに行くから」「後輩に誘われちゃって」と言って5000円もらうというあまりにもせせこましいテクニックです。なお本当に友人や先輩、後輩と誘われたときは素直にそっちに行きましょう。人間関係が一番大事です。後輩と飲むときは気前よく奢り、先輩には奢ってもらうこと。プー太郎を救ってくれるのは商売女でも博打でもありません。
②パチンコ
お金の捻出方法として組み込んではいけません。あくまでも「お金がもらえるかもしれない娯楽」です。基本的に500円(小景品1枚)でも勝ちが出たら勝ちなので深追いは禁物です。4パチは猛者(パチンコしか楽しみがない人たち)しかいないので、1パチで1000円単位でサンドに突っ込んでいくことをお勧めします。ホールについてはエ〇パスは釘が辛いからやめとけだの国〇センターはレートが高いからいいだのヒ〇マルは遠隔だの……と色々ありますが、特にどれも変わり映えしないので好きなホールで打てばよいです。気を付けるべきは、
・当たり確率(大体1/99、1/199、1/319)、台の回転数、その日の当たりの数の割合
・当たり継続率(連荘確率)
の二つです。特に台の回転数は打っている最中も気をつけた方がいいです。僕は50回転回して保留などの動きが出なかったら台を移動しています。「天井まで回しちゃったわー」というのはアホの言い分です。また、初心者はエヴァ13やガルパン、咲1/79でギミックを楽しんだり当たり演出を狙うのもいいですが、台で勝負したい場合は回っていない(早い時間帯)シンフォギアがギミック・演出・確変突入率の厳しさ(50%)、どれを取っても最高なので是非打ってほしい台です。当たったときの電子音で脳味噌がみるみる溶けていきます。確変に入りさえすれば継続が比較的長いのも嬉しいところ。
また、ギャンブルは最初に使う金額を決めてホールに入りましょう。鉄則です。最初の1000円で5000円勝ったら3000円使うつもりでも引いた方がよいです。
③メイド喫茶
もはや古のオタクコンテンツと化した感のあるメイド喫茶ですが(コロナで話題になっていましたが)、基本的にメイド喫茶は貴族の遊びです。チャージが底値600円するので、我々貧乏人はオムライスにデザート、ドリンク、チェキまでついてるデラックスセットみたいなやつは頼めません。純喫茶ぐらいするコーヒー(これも600円ぐらい)でも啜りながらメイドさんを眺めてひたすら粘りましょう。店舗にもよりますが、席で呆然としているとメイドさんが話しかけてくれます。語尾に「にゃん」をつけることを強制される店舗もある(僕が一番気に入っている)ので、食べ物や飲み物サーブ時に「一緒にやってくださ~い」というおまじない(おいしくな~れ、もえもえきゅん)をやる際は恥を捨てて思いっきりやりましょう。「他のオタクが見てたらどうしよう……」とはあまり考えない方がいいです。中年のオタクが全力でもえもえきゅんをやっている絵面に遭遇したりすると割と死にたくなります。
貧乏人プー太郎オタクの金の使いどころはチェキです。コンカフェ(後述)が1000円ぐらいするのに対してメイド喫茶は600~800円が相場です。フードやドリンクをオーダーした際に「チェキはどうしますか?」と聞かれるので条件反射で「はいッ!」と答えましょう。体育会系出身だからね(吹奏楽部)。なんのために食費を削り友人との飲みをケチるのか、それはチェキを撮るために他なりません。通い、推しを見つけましょう。なお僕はこの子を推そうと思いチェキを撮った次の日に推しの子が卒業発表していました。そういうことも、あるよね。ちなみに場所によっては曲リクエストというのがあり、大体1500円ぐらいで推しの子をステージで踊らせられますが、これは文字通り貴族の遊びなので、我々は大人しくチェキを食べましょう。
④コンカフェ
一番の魔窟と言っても過言ではありません。というか正直キャバクラやガールズバーとの違いが分からない。チェキがあるところとないところがあります。コンカフェは秋葉原に多いのですが、注意すべき事柄として行く前に店舗のTwitterを必ず確認してください。所属している女の子(DMで「予約」と言って指名したい女の子と決め打ちで話せたりします)、Twitter限定クーポン、割引一覧などお得な情報が載っていると同時にお店の料金体系も分かるのでぼったくられずに済みます。僕はメイド喫茶をハシゴしていい気分になっているところを路上のキャッチに捕まり、(1時間1500円飲み放題ならまあいいか……)と思って店に着いたらキャストドリンク(必須)が1500円でひっくり返ったことがあります。勿論これより悪徳なコンカフェはたくさんあると思うので、興味があるオタク各位においては気をつけてください。
僕が一番通っている渋谷のコンカフェ(と言っても1店舗しかないが)は明朗会計、Twitterで出勤している女の子を確認できる、昼間(カフェタイム)はノーチャージ、チェキやドリンクは一律1000円とかなり良心的です(良心的か?)。何より推しの顔がいい。接客もすばらしい。僕はこのコンカフェの推しに会ってチェキを撮るために放蕩息子をやっていると言っても過言ではありません。先日も5000円使ってしまいました。親に土下座し、飯を抜き、シケモクを吸って捻出した金は、全ては推しとの一杯のために―――――。
⑤ムダ金のメンタルケアについて
「ああ、コンカフェでブスに言われるがまま5000円使ってしまった……今月どうしよう……」「うっかりシンフォギアで深追いしてしまった……」、放蕩息子たるもの一度は経験するこの道。「やっちまった」という事実だけが残り、財布には隙間風が吹く。これを「違うコンカフェの可愛い女の子に慰めてもらおう!」とか「GAROで勝つ!」とかは絶対にやってはいけません。確かにギャンブルの傷はギャンブルで癒すしかないというのはあったりしますが、それは貴族。我々は貧乏人であるということを忘れてはいけません。とはいえ傷ついたメンタルをできるだけ金をかけずに修復したいもの。僕はこれの解決方法に丸3年を要しました。ふざけてると思われるかもしれませんが、これがマジの解決方法です。
「ガツンとみかんを食い、ピンクモンスターを飲む」
これです。これしかないと言っても過言ではない。要するにコンビニであまり高くない好きなものを買えという話なのですが、いろいろ試した結果アイスとエナジードリンクが一番よいです。アイスは酒やタバコ以上に嗜好品だし、Lチキやファミチキのように胃もたれせず、肉まんのように下手に食欲を刺激されることもない。エナジードリンクはちょっとお高い感じがコーラなどと違って特別感があり、カフェイン飲料の独特な風味が再起を奮い立たせる。500円で買ってお釣りが来ますよね。これでカレーや鍋が食えなくなっても仕方ありません。だって傷ついたんだもん。とにかく普段コンビニで買わないけど好きなものを500円以内で二つ買うこと。なお、酒は抜けたあと死にたくなるのでかなりお勧めしないです。
⑥終章&番外編:風俗
さて、楽しい貧困放蕩息子ライフは以上となりますが、親からもらったなけなしの金のマジのガチの最低の使い道として風俗があります。飲む打つ買うとは昔から言ったものですが、かくいう僕も1年ほど前までは月2でピンサロかヘルスに行っていました(当時はバイトで稼げていたので親の金ではありませんでした)。風俗のもののあはれは「愛がいつか終わっても 風俗黙示録」に書いたところなのであまり詳しくは言いませんが、バイトができない体になっていたときは1日のお小遣いの2~3000円を1パチで5000円に増やし、大塚の激安ピンサロ2回転によく通っていました。正直気持ちよさより罪悪感が勝るので、今なら言えますがコンカフェでぼったくられた方がまだマシです。挙句の果てにニューハーフ風俗で淋病をもらい激痛と戦ったりもしました。セックスだけはラブホ代だけにしましょう。放蕩息子の皆様におかれましては、親を泣かしてナンボ、ゴリゴリに脛をかじって生きていきましょう。家庭が崩壊しない程度に(崩壊しかけてます)。