思考停止

映画、本、音楽、など

2016-01-01から1年間の記事一覧

今年読んで面白かった本5選

初めに断っておくが、自分はそんなに読書家という訳ではない。どちらかといえば音楽や映画の方が好きだし、何より本を読むという行為には体力と余裕と時間がいる。…というのは読んでない人間の言い訳に過ぎず、いわゆる「本の虫」と言われる人たちというのは…

A.P.D.マンディアルグについて

アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ、という作家がいる。20世紀フランス文学において、主にシュルレアリスムという文学の潮流において活躍した作家、と言われている。アンドレ・ブルトンやロートレアモン(「手術台の上でのこうもり傘とミシンの出会い」…

「ストリップ劇場」論序説に対するごく短い補説

lesamantsdutokyo.hatenablog.com 上記のエントリでは書き切ることが出来なかった(そもそも「序説」であるのだから)が、ある興味深い指摘があったのでここでわずかばかりながらその指摘について触れてみたい。すなわち、「劇場」という場の生起である。 演…

「ストリップ劇場」論序説

サークルの読書会の帰りに、渋谷の百軒店の入口にある道頓堀劇場、というストリップ劇場に入った。たまたま2000円が手元にあって、学割でちょうど入場料が2000円だった。 今自分はある神経症にかかっていて、音や光に敏感になってしまっているのだが、最近は…

アンリ・ベルクソン『時間と自由』第一章についての覚え書き

エクスキューズもなしにいきなりベルクソンの話を始めるのも気が引けるので、とりあえず簡単な前置きをしよう。自分は哲学批評研究会というサークルに所属していて、なんというか適宜哲学書を選んで輪読して解釈する読書会サークルなのだが、そこでは今ベル…

『ライク・サムワン・イン・ラブ』、あるいは愛の予感

アッバス・キアロスタミという映画監督の名前は知っていたけれど、その映画は観たことがなかった。音楽も映画も文章で興味が沸くタイプの人間なので、キアロスタミへのまとまった言及にもあまり触れてこなかったというのもある。去る7月に逝去し、追悼特集が…

クラシック音楽愛好家が聴かないクラシック

僕の所属しているサークルで同人誌を出すらしく、最近あまり気合いを入れて文章を書いていなかったので、久しぶりにまとまったものを書こうと思い、割としっかり書きました。割としっかり書いたら一万字弱にはなったのでまあ満足です。その同人誌は実際サー…

新海誠『君の名は。』(2016) 感想文

Tumblrのパスワードを忘れてアカウントが死んだ(知能指数5)ので、はてなで長文を書くことにしました。誰が読むかも知らないのですが。 『君の名は。』が、あたかも世間の一般論としてデート・ムービーであるかのように言及されるのは、なんとも違和感があ…

庵野英明/樋口真嗣『シン・ゴジラ』(2016) 感想文

『シン・ゴジラ』予告2 TOHOシネマズ渋谷に『シン・ゴジラ』を観に行ってきました。僕はろくろく封切り直後のロードショーを観に行くことがなく、いや厳密に言えばあるのですが直近で封切り直後に観に行った映画館はイメージフォーラムという全方位的にサブ…